Pre-Flop-Strategy-for-Texas-Holdem

テキサスホールデム 戦略

まずはプリフロップにおける基本戦略についてご説明しましょう。プリフロップはビッグブラインドとスモールブラインドがブラインドを支払った後に2枚ずつ手札が配られ、プレイヤー全員がアクションを終えるまでのラウンドです。ゲームに参加して2枚の手札が配られたとき、最初に考えなければいけないことは、その手札がプレイ可能であるかどうかです。ただし2枚の手札を見てプレイ可能かどうかを判断する上で前提として頭に入れておくべきことがあります。それは「ポジション」「テーブルにいる人数」「持っているチップの額」が判断基準を変えるという事です。まず、ポジションによってプレイできるハンドランク(手札の強い順)が異なります。そしてテーブルの人数によって大きく左右される理由は、単純に後ろでアクションするプレイヤーの人数が異なるからです。後ろでアクションする人数が多ければ強い役を完成させてくる可能性のあるプレイヤーが増えることになるので人数が多ければ自分はより強い役を作らなければなりません。また、手持ちのチップが極端に少なければ自分がどんなに弱い手札でもゲームに参加することがオッズに合ってしまうような状況も考えられます。

キャッシュゲームとトーナメントでのプリフロップ

ポーカーにはキャッシュゲームとトーナメントという2種類のゲーム方式が存在します。キャッシュゲームはお金でチップを買って、そのチップを持ってテーブルに座ってプレイヤー同士で競うものです。トーナメントは参加者全員が同等のチップを持って一斉にスタートし、徐々にブラインドが上昇していきます。ブラインドが上昇することで、どんどんプレイヤーがチップを無くしてゲームオーバーし、最終的に1名の優勝者を決めます。ポーカーというゲームは、プリフロップ、フロップ、ターン、リバーと進むにつれて難易度のランキングが上がっていきます。そしてプリフロップでのミスは、後のストリートでのプレイをより難しいものへと変えてしまいます。ですから、まずプリフロップでのプレイをしっかりと身に着ける事が大事なんです。

トーナメントでのプリフロップ

  • スチールを仕掛ける

自分のポジションがボタン、もしくはその1つ前なら積極的にレイズしてブラインドを奪います。スタックに占めるブラインドの割合が大きいため、トーナメント中盤では非常に重要なテクニックです。

  • コネクタやスーテッドは降りる

コネクタやスーテッドといった投機的なハンドは、完成しても引き出せるチップが少なくインプライドオッズがないため、基本的にこれらのハンドは降りるようにしましょう。

  • KJでコールしない

KJは絵札が2枚で一見強そうに見えるハンドですが、プリフロップの勝率ではAxに負けています。フロップでノーヒットなら、Aハイのレイズに対して降りるしかありません。また、中盤で先にレイズを仕掛けてくる相手はAK、AQ、AJといったハンドを持っていることが多いです。そのため、もしKJのどちらかがヒットしてもAキッカー相手にドミネイト負けしやすく、トップヒットで降りられないため全てのチップを取られてしまいます。

  • ミドル以下のポケットペアはスクイーズに注意

ポケットペアからのセットマインは完成する確率が約10%のため、10倍のオッズが必要です。ここで、もしミドル以下のペアでコールして後ろのプレイヤーがスクイーズを仕掛けてきたとき、勝率は良くて50%のためオールインするメリットが薄く、またセットマインのオッズも合わないため降りるしかなくなります。ミドル以下のペアはスクイーズを警戒し、場合によっては降りることも考えましょう。

  • 10BB以下はオールインかフォールドする

スタックが10BB以下のときは、レイズしてフロップがオープンすると残りスタックとポットがほぼ同額となるため、オールインの選択しかありません。オールインをするのであれば、プリフロップ時点で全て入れたほうがフォールドエクイティがあります。

  • ショートスタックのオールインに注意

中盤以降では、スタックが10BB以下を切ってオールインするしかないプレイヤーが存在します。そういったプレイヤーがオールインしてくることも考えてプレイしましょう。

キャッシュゲームでのプリフロップ

リングゲームのプリフロップでは常にこの金額にレイズすれば正解、というようなことはないのですが、先行するアクションを考慮に入れたいくつかの基本的なルールに従えば適正なベットサイズを判断できます。

  • ポットに最初に参加しレイズすることに決めたら、ビッグブラインドの3~4倍にレイズします。 自分のベットが頻繁にコールされているなら、もっと高額にレイズしても構いません。強いハンドなら大きなポットを作れます。
  • 先行するプレイヤーがコールしている場面でレイズする場合は、通常のレイズ額にコール分を上乗せします。 例えば通常のレイズ額がビッグブラインドの3倍なら、1 人がコールした場合は4倍、2人の場合は5倍にレイズします。
  • 最初のレイズをリレイズする場合は最初のレイズの3倍にリレイズします。
  • ハンドの強さにかかわらずいつも同じ額にレイズして、ベットサイズからハンドの強さを悟られないように気を付けます。

フロップの前はタイトにプレイする

「タイト」とは強いハンドでプレイして、弱いハンドはフォールドすることです。フロップの前はタイトにプレイすることが戦略のひとつとなります。テキサスホールデムには 169通りものスターティング ハンドがありますが、利益の大半はそのうちのごくわずかのハンドで獲得します。プレミアムハンドが配られることもありますが大半は弱いハンドです。スターティングハンドが対戦相手よりも弱いと、スタート直後から相当不利な状況に立たされます。そのような状況ではプロでも長期的に利益を上げることはできないので、フロップに行く前にフォールドすることが重要になります。このプレイスタイルを「タイト」というんです。とても慎重で有利だと考えられるハンドでしかプレイしないためです。9人テーブルでは、配られた手札の平均15~20% のみ参加するのが妥当で、5回の内の4回はフロップに行く前にフォールドする計算になります。

アグレッシブにプリフロップをプレイする

アグレッシブとは、ベットやレイズ、リレイズの多いプレイスタイルのことです。アグレッシブであることはポーカーでは良いこととされます。頻繁にベットやレイズをし、あまりコールをしないことで自分の有利な方に影響を及ぼすことができるからです。ベストハンドを持っている時にベットし続けてできるだけ多くの資金がポットに投じられるようにすることがとても重要です。勝てそうなハンドを持っているときは対戦相手にコールしてもらうのです。対戦相手が全員フォールドした場合も自分の手を晒さずにポットを獲得できますが、数多くベットやレイズしていなければ不可能です。アグレッシブではなパッシブ (消極的) にプレイすると、ポットは小さいままで対戦相手にはハンドを強くするチャンスを与えてしまいます。相手はチェックをしてもっとカードを見ることができ、ショーダウンまで行けば今度は自分の手を見せなければならなくなります。

  • さいごに

ポーカーにおいて正しいプレイとは、それぞれの場面でいかに利益的なプレイを行うことができるかということです。今回はプリフロップについての少し具体的な戦略について迫ってみましたが、プレイの際に参考にしていただけると幸いです!