カジノディーラーの仕事とカジノから求められる5つのこと

こんにちは、ラスベガスでカジノディーラーをしている片桐ロッキー寛士です。カジノディーラーはカジノゲームの進行役として、ブラックジャックやルーレット、バカラにクラップスなど、数あるカジノゲームの中から担当するゲームを、決められたルールと手順に沿って進行するのが主な仕事です。カジノディーラーは現場の最前線に立ち、お客さんと触れ合う時間が長いこと、そしてカジノディーラーの印象がそのカジノの印象となることが多いことからカジノの顔とも言われています。

カジノディーラーの仕事内容というのは、未だにカジノが合法化されていない日本ではあまりちゃんと理解されていないように感じます。

たまに、カジノディーラーはイカサマをしているとか、ベテランになるとカードやルーレットの操作ができるなど、まるで不正をしてお客さんを意識的に負けさせ、カジノに儲けを出させることが仕事と勘違いしている人がいますが、これは非合法のカジノに限った話です。ラスベガスのようにきちんと法整備がされ、管理下に置かれている合法のカジノでは絶対にあり得ないことです。

カジノディーラーの仕事とその特徴

カジノディーラーの仕事はお客さんを負けさせることでも、カジノに儲けを出させることでもありません。ゲームの進行役として常に中立な立場に立ち、正確かつ効率的にゲームを進行すること、そしてその中でお客さんが楽しい時間を過ごし、勝敗に関係無く良い経験をしたと思ってもらえるように務めることが仕事です。

カジノディーラーの接客は簡単ではない

基本的にカジノゲームはカジノディーラー 対 お客さんとなっていることから、お客さんはあたまからディーラーのことを敵だと思い込んでしまう傾向にあります。その中での接客は簡単なものではありません。勝っているお客さんならまだスムーズにいく接客も、負けているお客さんとなると話が別なのは想像がつくと思います。

たまに暴言を吐かれたり、テーブルを叩かれたり、ひどいのになるとカードやチップを投げつけてくる人もいます。(言動がひどいお客さんは退場となります)いくらカジノが大人の社交場と言われても、お金が絡む場でもあるので取り乱してしまう人も少なくはありません。そんな環境の中、カジノディーラーは何が起こっても冷静沈着にお客さんと接し、ゲームを正確に進行して行く必要があります。

スーパーバイザーとのチームワーク

スーパーバイザーとはカジノディーラーの後ろに立っている監視役のことで、ゲームに異常がないか常に目を光らせています。ゲームの進行中に手順の間違いがあった、何か問題が起きた時はスーパーバイザーに確認してもらい、彼らの判断でそれらを直すことが決められています。

ディーラーが自分の意思で間違いや問題を正すことは許されません。他にも現金をカジノチップに交換する、または少額から高額のカジノチップに交換するカラーアップの際、高額な支払いの時などは必ずスーパーバイザーの承認が必要です。このようにカジノディーラーはスーパーバイザーとうまく連携を取り合ってゲームを進行させていきます。

カジノディーラーは常に監視されている

ゲームの進行中は常に誰かに監視されています。監視役のスーパーバイザーはもちろん、頭上にある数台の監視カメラもプレイヤーを監視するとともにカジノディーラーの動きも常にチェックしているのです。

カジノディーラーは不正を疑われるような行動を取ることは絶対に許されません。ゲーム中はもちろんいかなる時も手はテーブルの上に置いておく必要があり、もし頭が痒くなった時などはウォッシュといって、1回手を叩いてから手の平と甲を交互に頭上にある監視カメラに見せなければなりません。こうすることで手に何も持っていないことを証明しているのです。

カジノがカジノディーラーに求める5つのこと

このように、カジノディーラーは決められたルールに従い、監視されながらもスーパーバイザーとうまく連携をとり、難しい状況の中で接客をしながらゲームを進行していくわけですが、その中でカジノから求められることは少なくはありません。カジノによってその内容は微妙に異なるものの、今まで私が働いてきた6件のどのカジノでも求められたことが5つあります。

清潔感

カジノディーラーはカジノのフロントラインに立っているので、あたり前のことではありますが清潔感が求められます。カジノによっては男性の長髪やひげを蓄えることを禁止していたり、シャツやズボンにしわがある、又は皮靴が汚れていたりするとテーブルから外されたり、場合によっては帰らされることもあります。

ゲームの明確さ、見やすさ

ゲームの進行中は監視役のスーパーバイザーと頭上にある監視カメラから見られているので、進行手順はもちろんのこと、カードの置き方からチップの支払い方まで、ありとあらゆる動作をどの角度から見てもすぐに分かるようにゲームを進行することも大事な仕事の1つです。こうして全ての動作を明確にすることが、カジノディーラー自身の身を守ることにもつながっていきます。

ゲームの手数、スピード

レストランだとテーブルの回転率が良ければ売り上げに直結するように、カジノの場合はディーラーがこなす手数が多ければ多いほどカジノの儲けの期待値が上がります。1時間で100回ゲームをこなすディーラーと、200回こなすディーラーとではどちらがカジノにとって重要な人材になるかは明確なことかと思います。

お客さんに戻ってきてもらえるような接客

カジノディーラーは接客業でありながら、形あるものを提供できないのでサービスはすべて無形のものです。ルール説明や最善な賭け方などのアドバイスをしたり、時にはエンターテイナーになって場を盛り上げたり、勝負に集中したいお客さんには口を出さずに素早くゲーム進行したりと、そのお客さんに合わせたリズムとスタイルでゲーム進行をします。

会話を交わしながらお客さんを理解していくこと、とにかく楽しく、そして心地良く遊んでもらうこと、最高の時間を演出してまた戻ってきたいと思ってもらえることが、カジノディーラーにとってのサービスでもあり、接客においてのゴールでもあります。

ゲームプロテクション

カジノから求められる5つことの中で1番大事なことで、「ゲームを守る」ということになります。しかし守るといっても、強盗に脅かされたり、火災などの災害があってもテーブルから離れずカジノチップを守れ、ということではありません。

ゲームプロテクションについての詳しい事や動作などは専門的なことになるので今回は省きますが、要はゲームを決められたルールと手順で進行すること、そしてありとあらゆる動きをスーパーバイザーや監視カメラから見てもすぐ分かるように明確にするというカジノディーラーにとっての基本の「き」です。

いつか日本でカジノ法案が可決され、カジノディーラーになりたいという人が増えた時に詳しく紹介できればと思います。